ほろほろと白塗料泣く棺あり
早朝に釘と鯨が妬んでる
私は臭くあるべし、などと
拒絶あふれる待合室で
完了と改行のあわい膿んでいる
菊は花、という気分で蟻つぶし
生粋の他性としての木々が立ち
赤子の手ひねりもぎとり桂むき
マッキントッシュ 冬、保存せり
持て余す馬の目の襞ぬるい風
ホスピスで衣擦れの音かき集め
孤独って透明な火のことですか
謝罪詩にかすかに宿るヤブツバキ
漆盆川に放れば憂国紀
石化した三半規管拾い春
葉桜を散らしたろ紙が自律する
降り止まぬ自己言及を唇に
乱雑植えにされた毒蛇
ため息で満ちたピアノを運び込む
繋辞とか黄身とか補遺が集い合う
大丈夫秋の場合は首がとぶ
白鷺が無名の空を贔屓する
実は枕は違憲だった、と。
やがて土地になる湿った塵芥
吟醸か五〇〇ワットか明示せよ
にも関わらず熟れる屍
大の字になり爆ぜる放尿
丁度いい烏合の居場所大人買い
鼓膜のかたち 戦場のかたち
鼻と右肩をフォトショで消せば海
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